どうも、田舎の
恋愛講師かずひとです。
うどん県の片隅で、
恋や人間関係に悩む人の
お手伝いをする仕事をしています。
とはいえ、自分自身がモテる
タイプではありません。
むしろ、20を超えても恋に
臆病なままの、不器用代表でした。
でも、そんな僕にもある夜、
奇跡みたいな出会いが
過去にありました。
舞台はうどん県の繁華街
その出会いが、僕に
“ゆっくり愛すること”の
意味を教えてくれたんです。

1. 路上のタバコの煙
仕事帰りに立ち寄った繁華街
いつもなら通り過ぎるだけの、
人通りの多い通りの角。
その夜は、なぜか
立ち止まりたくなった。
ガードレールの横で、
1人の女性がタバコを吸っていました。
街灯のオレンジの光に
照らされて、白い息と
煙がふわりと混ざって消える。
その一瞬の絵があまりに綺麗で、
思わず見惚れてしまったんです。
勇気なんてなかった、、、
けれど、気づいたら口が
勝手に動いていました。
「すみません、ライター
貸してもらえますか?」
あまりにもぎこちない台詞、、、
でもその不器用さが、
彼女には本気に
映ったのかもしれません。
「ライター? 珍しい出会い方やね」
少し笑って、彼女は
差し出してくれた。
その笑顔の中に、
どこか懐かしさを感じたんですよね。
柔らかくて、守りたいような、
でも強さのある女性でした。

2. LINE交換の瞬間
話してみると、
意外にも地元が近かった。
彼女は「みさき」と名乗り、
しばらく前まで高松の
スナックで働いていたけれど
いまは事務職に変わって
少し落ち着いた生活を
しているとのこと。
ほんの10分ほどの会話。
けれど不思議なことに、
初対面のはずなのに心が穏やかでした。
最後に「また話したいですね」と
言ったら、彼女は少し考えて
スマホを取り出しました。

「じゃあLINE、交換しとこっか」
……たぶん、あの瞬間が僕の
中での“人生の分岐点”
だった気がします。
3. 初デートは昼間のカフェ
1週間後、彼女と
駅前のカフェで会いました。
平日の昼下がりに、
田舎の講師が街の中心で
デートしてるなんて、
ちょっと場違いでした。

木のテーブル、少し焦げた
コーヒーの香り、店内BGMのジャズ
「ここ、初めて来たの?」と
聞かれ、「デートらしい
デートは久しぶりです」と答えると、
彼女は小さく笑って
「素直やね」と言った。
彼女は仕事の話も、
恋愛のことも、
包み隠さず話してくれました。
“東京で恋に疲れて地元に
戻った”という話が、
印象に残ってます。
無理して笑わなくても
いい人間関係が、ここにはある
――そう言った時の表情が
忘れられない。
その日は、2時間ほど
喋って別れました。
帰り際、交差点を挟んで
手を振ってくれた姿を見ながら、
胸の奥で何かが少しずつ
解けていくのを感じました。
4. 二度目、三度目の約束
二度目は港の
近くの映画館。
会話が弾みすぎて
映画の内容を
半分覚えていません(笑)
その帰り、
「もうちょっと歩こうか」と
商店街をゆっくり並んで歩いた。
彼女はゆっくり話す人で
沈黙を怖がらない。
その“間”が心地よくて、
久しぶりに人と一緒にいる
空気に安心しました。
三度目は郊外の
小さなカフェ併設の花畑。
秋の終わり、
風がちょっと冷たくて。
「寒いね」と
彼女が言ったとき、
自然に手が触れ合って
そのまま握りました。
彼女が何も言わずに
手を返してきた瞬間、
世界が静止したように感じた。
「これでいいんだ」
派手さも技巧もない恋が、
ただ確かにそこにありました。
5. 告白と、付き合い始めた日
四度目のデート
この日はちょっと
勇気を出して
夜の居酒屋を予約しました。
僕なりの
“真剣モード”でしたね。
お互いによく笑う夜で、
何気ない話をしている最中に
「かずひと君って、
ほんと変わってるよね」と
言われました。
ちょっと焦って
「変って…どんな意味ですか?」と
聞くと、「恋愛講師のくせに
恋に焦ってないとこ」と彼女が笑った。
酔いも手伝って
返す言葉が出なかった。
でも帰り道、車の中で
思い切って言いました。
「僕、本気でえみさんが好きです。
嘘じゃないです、ひとりの男として」
彼女は少し泣き笑いしながら
「やっと言ったね」と
シート越しに手を重ねて
ほんの少しだけ目を閉じました。
付き合うようになったあの瞬間
自分が“講師”ではなく
“ただの恋する男”に
戻った気がしました。
6. ゆっくり進む田舎の恋
付き合い始めても、
デートのペースは月に
2、3回
互いに忙しいし、
無理にLINEを
毎日することもなかった。
それでも、「今週は
金曜空いてる?」の
一言だけで幸せになれた。
田舎は距離も広いし、
夜に会うとなると
どちらかが車を
出すのが当たり前。
その“小さな手間”が、
恋を丁寧にしてくれる
気がしました。
ある夕方、彼女の
地元のため池沿いを
歩いた時、カエルの
声と虫の音しか
聞こえない中で、
彼女が呟いた。
「ここって、
音が優しいね。」
その瞬間、「ああ、
この人と同じ感覚を
持ってる」と実感しました。
7. 恋愛講師としての葛藤
正直、恋をしながら
「恋愛講師」を
名乗るのは複雑でした。
人にアドバイスする
立場なのに自分自身は
遠回りばかりしているから。
でも、彼女と過ごす
時間が長くなるにつれて、
気づいたんです。
恋愛って“理屈”で
成功するもんじゃない、
勝ち負けも、効率もない。
むしろ、不器用さや不安を
分け合える関係こそが
いちばん現実的なんだと。
彼女はときどき、僕の
言葉をじっと聞いた
あとでこう言いました。
「私、好きになる相手が
どういう人かよ
“どういう時間を
過ごせるか”の方が大事」
この言葉、講師として
よりも人間として刺さりました。
8. 二人の時間、三ヶ月
季節が冬に変わるころ、
ふたりの関係も
落ち着いてきました。
コンビニで一緒に
肉まんを分け合ったり
夜中に「湯たんぽ忘れた」と
LINEで笑い合ったり。
ドラマチックな
出来事は何一つない
けれど、毎日が
小さな幸福の積み重ねでした。
ある夜、彼女が手帳の
中に挟んだ小さな
カードを見せてくれた。
そこには僕が送った
初LINEの内容が
印刷されていたんです。
「また話せたら嬉しいです」
たったそれだけ。
「これ、初心忘れるべから
ずって感じで取っといた」って
照れ笑いする彼女に、
胸が締めつけられました。
9. 非モテという美学
今の僕は、誇らしく
“非モテ”を名乗れます。
非モテとは、恋が
できない人のことではなく、
恋を軽んじない人の
ことなんです。
焦らず、駆け引きせず、
ただ一人の人を
大切にしようとすること。
その不器用さこそ、
本当の美学だと思います。
都会の恋は速い
アプリで何人と
出会っても
誰も覚えて
いないことが多い。
でも田舎の恋は
遅いぶん
記憶に深く刻まれる。
僕はその“遅さ”の
中にこそ、人間らしさが
あると信じています。
10. 現在、そしてこれから
時が経った今ですがお互い別の
道を歩んでいます。
この女性からは色々なことを
学びました。
“たとえ誰にもモテなくても、
たった一人に心から必要と
されれば、それで勝ち”だと。
それをいま、
僕自身が体験している
最中です。
人は、恋を通して
「待つこと」を学ぶ。
田舎でゆっくり恋を
したい人たちへ。
あなたの歩くペースで、
十分間に合います。
僕がそうだったように、
きっと誰かが、あなたの
遅い足音を待っているのだから。